はじめに
デュエルリンクスやマスターデュエルの影響で遊戯王OCGを始めたという人、多いと思います。
遊戯王始めたての方にとってちょっとわかりにくいのが優先権の話。
今回は優先権とはどんなルールなのか、またその具体的な注意点について解説していきます。
優先権とは
優先権とは公式の単語ではなく、プレイヤーが昔から使ってきた慣用的な言葉です。(公式に問い合わせても答えてくれませんので注意しましょう。)wikiには以下のようにあります。
https://yugioh-wiki.net/index.php?%CD%A5%C0%E8%B8%A2
とても長ったらしくて読む気になりませんが簡単に言うと「カードを発動する権利」です。
大事なポイント
- 優先権はターンプレイヤーから順に与えられます
- カードの発動・優先権の破棄・フェイズの終了宣言等で優先権が相手プレイヤーに移ります
- 両プレイヤーが優先権の破棄を宣言したのち、次のアクションに移ります
具体的な事例で考えよう
カードの発動で優先権が移る
ターンプレイヤーが転生炎獣の炎陣と罪宝狩りの悪魔を持っている場合、チェーン1転生炎獣の炎陣チェーン2罪宝狩りの悪魔と、一方的にチェーンを組むことはできません。
必ず転生炎獣の炎陣を発動した後に相手プレイヤーにチェーンがあるか確認したのちに、罪宝狩りの悪魔を発動できます。
優先権はターンプレイヤーから与えられる
非ターンプレイヤーは、フェイズの開始時にカードを先出しできません。ドローフェイズにディメンションアトラクター、スタンバイフェイズに増殖するGなどを発動したい場合は、必ずターンプレイヤーに何か発動するカードはあるか確認した後に(つまり優先権を渡すことを確認した後に)改めてカードを発動しなければなりません。
メインフェイズ開始時の処理は特に間違いやすく、非ターンプレイヤーは、ターンプレイヤーが行動する前に誘発即時効果や速攻魔法罠カードを発動することはできません。なぜならフェイズの開始だけでは優先権は移らないからです。
そのため、相手が通常魔法を発動したりモンスターを召喚したりする前にプランキッズの大暴走を発動したり、重騎士プリメラの効果を発動したりすることはできません。優先権とスペルスピードは別の概念です。
お互いのプレイヤーが優先権を放棄すると自動的に次へ移る
ターンプレイヤーは、優先権を放棄した時点で次のフェイズ(アクション)に移行したいですという意思表示になります。お互いのプレイヤーが優先権を放棄すれば自動的に次のフェイズに移行します。
例えば、たまにターンプレイヤーなのに「ドローフェイズ、何もなければ、転生炎獣の炎陣発動」という人がいます。
これはルール上よくわかりません。優先権はターンプレイヤーから与えられるため、ドローフェイズに非ターンプレイヤーに何か発動するカードがあるかを確認している時点で、まず自分は発動するカードがないということを宣言しています。
ターンプレイヤーは自分がカードを発動する権利を放棄しない限り次のフェイズには移行しないため、ドローフェイズ終了前にカードを発動したい、ということはあり得ません。
モンスターの召喚特殊召喚では優先権は移らない
たまに非ターンプレイヤーが、ターンプレイヤーのモンスター召喚時に何も聞かずに「落とし穴」等を発動している場面を見受けられます。しかし、正しくはモンスター召喚時にターンプレイヤーに何か発動する効果があるか確認した上で、改めて落とし穴等を発動することができます。ターンプレイヤーが発動するカードがある場合は、そのカードにチェーンして発動することになります。
安直に「何かありますか?」と聞くのは危険?
もう決まり文句呪文のように「エアーマン召喚時。何かありますか?」と聞いてしまう人がいます。先述した通り、「何かありますか?」と相手に尋ねてる時点で、誘発効果の発動権を放棄した扱いになります。つまり、相手からは「あ、この人召喚時効果を破棄するんだな」と受け取られます。(この類のトラブルでジャッジを呼んでも、召喚時効果を破棄した扱いになることが多いと思います。)
優先権はターンプレイヤーからなので、「エアーマン召喚、そのまま召喚時効果!」と続けざまに言ってしまっても問題ありません、そのほうが正しいです。ただ、相手にリバースカードがある場合、召喚成功時効果の前に神の宣告などの召喚無効の発動タイミングがあるので、そういうカードが予想される場合は「エアーマンを召喚します。召喚の無効はありますか?なければ召喚時効果発動。」というようにしましょう。
バトルフェイズは特殊
以上のように、各フェイズでは優先権はターンプレイヤーから順番に移り、お互いのプレイヤーが優先権を放棄することで初めて次のフェイズに移ります。ただ、バトルフェイズだけは特殊なルールがあります。
バトルフェイズはスタートステップ・メインステップ・エンドステップに分かれており、実際に戦闘が行われるメインステップの前後に、クイックエフェクトを発動できるスタンバイフェイズのような特に何も処理のないステップが存在します。
これにより、非ターンプレイヤーであっても、攻撃宣言される前、バトルフェイズのスタートステップに速攻魔法や罠や誘発即時効果などを発動することが可能です。また、エンドステップに関しても、メインステップとは切り離されているため、非ターンプレイヤーがバトルフェイズ終了時(エンドステップ)に罠カードを発動したからといって、メインステップに戻って攻撃続行!などとはできません。
バトルフェイズのスタートステップとエンドステップにのみ発動することができるカードなども存在しており、バトルフェイズはスタンバイフェイズのようなものが前後にくっついている、といってもいいでしょう。
このルールをわかりにくくしている原因として効果テキストの書き方が大きいです。スタートステップに発動できる効果は「バトルフェイズ開始時に」とありますし、エンドステップに発動できる効果は「バトルフェイズ終了時に」とかかれています。開始時終了時とありますが、これはメインフェイズなどの開始時終了時とは処理が大きく違うため、注意しましょう。
終わりに
いかがだったでしょうか?優先権ってマスターデュエルから始めた人にとってはかなりわかりにくいルールですよね。そんなOCG初心者の方の理解に、少しでも役立てば幸いです。また動画にてコミカルに解説をしています。良かったらぜひご覧ください。
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